このブログでは、ERIC 国際理解教育センターが1990年から2005年までに開催したグローバル・セミナーについて紹介しています。

初期のグローバル・セミナーは、ERICが厳選して翻訳出版したテキストの著者・開発関係者を海外からゲストとして招き、参加型の学びを深めるというスタイルをとりました。
テキストの翻訳だけでなく、参加型の研修プログラムを実施し、受講する経験は、ERICにとって大きな学びとなり、その後のESDファシリテーターズ・カレッジをはじめ、オリジナルテキストの開発などの様々な活動につながり、ERICの知的財産となりました。

持続可能な未来をめざして、みなさんとともに参加型の学びを続けるERICのグローバル・セミナーの変遷と、セミナーを通して発信し続けている願いや未来へのメッセージをぜひ、ご覧ください。

タイトルの赤字をクリックすると、セミナーの案内がご覧になれます

第1回 地球の未来と教師の役割(1990.10/17-21)



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# by global_seminar | 2018-12-31 12:16 | グローバル・セミナー一覧

ERIC NEWS 559 号(2017年9月17日発行)

「グローバル・セミナーをふりかえる〜今と未来の教育のために」連載を終えて (鬼木たまみ)

ERICが1990年から2005年に開催した全14回のグローバル・セミナーを連載という形で約4ヶ月にわたって紹介いたしました。読んでくださった方の中には実際にセミナーに参加した方もそうでない方もおられたと思いますが、いかがだったでしょうか。
今回は連載を終えたいま、私が原稿を書きながら、思い、感じたことを書いてみたいと思います。

グローバル・セミナーが始まったERICの草創期の頃、私は当時働いていた大阪のNPOの活動の中でERICや参加型の学びに出会いました。海外から講師を招き、翻訳出版と併せて開催されるセミナーや参加型ワークショップの斬新さや魅力に惹きつけられたのは私だけではなかったと思います。関西で参加した地域セミナーで講師の通訳をするスタッフが単なる通訳ではなくファシリテーターとして適切で的確な言葉と態度でワークショップを進めていたのを今でも鮮明に、印象深く覚えています。

私が地域セミナーではなく、グローバル・セミナーに初めて参加したのは、2000年に開催した『ワールド・スタディーズ』の著者であるサイモン・フィッシャーさんを招いた第12回です。スタッフとして企画や運営の一端を担い、かつ、ひとりの参加者として参加しました。“スタッフも参加者として参加する”、これは参加型の学びのスタイルをとるERICでは当たり前すぎるほど当たり前なことなのですが、その時の私にとっては目からウロコが落ちるほどの驚きでした。

それまでも私は主催者やスタッフとしてセミナーや研修の開催経験がありましたが、当日は受付や懇親会の準備、講師や参加者対応などのいわゆる裏方業務に追われ、終了後のアンケートまとめやテープ起こしの作業を通して、初めて当日の内容を知る、というのが常でした。
私は相応のエネルギーと時間を要して準備したせっかくの学びの場と機会を自ら放棄していたことに気づき、「もっとどん欲になっていいんだ!」と目の前がぱっ〜と明るくなったあの頃の良い意味でのショックを今回の原稿を書くことで思い出しました。

連載の途中で少し触れましたが、セミナーの資料が収められている開催回ごとのフォルダーにはミーティング記録や講師との事前打ち合わせのFAXやe-mail、スタッフ用の当日資料などが残されています。それらの資料を読むと、セミナーの企画、準備段階から、当日、終了後、とセミナーに関わったスタッフが一番、学びの成果を得ているのをうかがい知ることができます。

連載記事は、開催趣旨や講演録などを引用しながら、セミナーの概要や公開可能な資料の紹介を中心に構成しました。毎回、膨大な資料の中からどの部分を引用したら良いのか迷いましたが、10〜20数年の時を経て、今だからこそあらためて伝えたいメッセージを選び、紹介いたしました。連載では紹介しきれなかった資料は、ブログにあげていきたいと考えています。

グローバル・セミナーの連載は一旦、終えましたが、今もERICの「収活」のひとつとして過去のプロジェクトの資料をコツコツと整理、デジタル化の作業をしています。量が多いのとどれも内容が興味深いため、なかなか作業が進まないのが悩みの種ですが、ひとつひとつ。
ERICの学びと活動の蓄積をまた、あらためてみなさんにお届けしたいと思っています。ひき続き、よろしくお願いいたします。

*ブログ「グローバル・セミナーをふりかえる〜今と未来の教育のために」

■グローバル・セミナー全14回のテーマとERICニュースの発行日と号

連載開始のご案内  2017年4月23日発行   538号

第1回 地球の未来と教師の役割(1990)  
2017年5月14日発行  541号

第2回 イギリス・オーストラリア・アメリカの国際理解教育に実践に学ぶ(1991)
2017年5月21日発行  542号

第3回 環境教育・PLT(1992)  
2017年5月28日発行  543号

第4回 食糧 フード・ファースト・カリキュラム(1993) 
2017年6月4日発行  544号

第5回 協力、コミュニケーション、セルフ・エスティーム(1994)  
2017年6月11日発行  545号

第6回 わたしから始まる国際理解教育 自己理解と参加(1994)  
2017年6月26日発行 547号

第7回 フォトランゲージを学ぶ(1995)  
2017年7月2日発行  548号

第8回 地球のみかた(1996)  
2017年7月9日発行  549号

第9回 対立から学ぼう(1997)   
2017年7月16日発行  550号

第10回 未来を学ぼう (1998)  
2017年7月23日発行  551号

第11回 国際理解教育の推進に向けて(1999)  
2017年8月6日  553号


第13回 生涯学習社会の実現に向けて(2002)   
2017年8月20日発行  555号

第14回 いっしょに考えて!教育(2005)  
2017年9月4日発行  557号

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# by global_seminar | 2017-09-18 15:32 | ERIC NEWS 記事

ERIC NEWS 558 号(2017年9月10日発行)

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ERIC NEWS 558号 at/from ERIC ともによりよい質の教育をめざして  2017年9月10日
ESDファシリテーターズ・カレッジ! すべての学びを参加型で!
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/ twitter : kakuta09  FBもやってます。)

 ERICは残り5年ほどで、現在の事務所を引き払って、もっと身軽なクラウド中心の活動に移行する計画です。(収活と呼んでいます。)

今の事務所を活用した活動を行いたい人は、ぜひ、ご提案くださいね。ワークショップ、相談室などであれば、使えますよ。

 クラウド中心になるために、いま取り組んでいるのが「資料室のスリム化」です。そのために「資料類のPDF化」と「資料室の書籍の処分」を行なっています。って、両方、鬼木さんが担当しているんじゃん。

 鬼木さんは、ERICの創立メンバーでこそありませんが、設立当時からの地域セミナー繋がりがあった方です。多分、今回の東京セミナー中心の記録ではわからないでしょうが、かなりの部分、セミナーを通した学びを共有しておられるはずです。

 2000年からはスタッフとして、働いてくれていました。ERICの財政縮小に伴い、いまはボランタリーに、ご自分自身が貢献できることを見つけて、作業を担ってくれています。いいなあ、有能人は。

 カクタさんは、こういう実務については、全く役立たずな頭とからだをしているので、ERICの収活期にこのような天恵。願ったり叶ったり、してやったりの心境です。ブラック企業にならないように、気をつけないと。

 でも、カクタさんは、その場の集中力が求められるファシリテーターとしての能力は高いので、それはそれなりに、クラウドでの活用の道を探りたいなと。これはこれで、収活中。

 収活の一つが、ERICの事務所で行うことができる「ESDファシリテーターズ・カレッジ」と銘打った主催研修です。2017年度の後期は、スキル編三本。これまでの研修の集大成として、一つひとつのプログラムの充実と、全体カリキュラムのまとめを目指したいと思っています。

 では、今回のニュースも、お楽しみください。

◆◇◆目次◆◇◆

◆◇◆1. 連載「グローバル・セミナーをふりかえる〜今と未来の教育のために」を終えて
◆◇◆2. アクティビティ開発「あいのなさ」
◆◇◆3. ESDファシリテーターズ・カレッジ2017 スキル「わたし」
◆◇◆4. by ERIC 在庫処分2016!
◆◇◆5. with ERICこれまでの活動


◆◇◆1. 連載「グローバル・セミナーをふりかえる〜今と未来の教育のために」を終えて◆◇◆

 ERICは、教育的指導者育成団体として、自らも「学び続ける」組織であることを実践してきています。Learning Organizationとは、ピーター・センゲが指摘するように、「持続可能な組織」に共通する原則の一つです。

 ERICの参加による教え方・学び方の方法論については、三つの学びの時期を、ちょうど10回目のグローバル・セミナーが終わった頃にまとめました。
第一期 「気づきのためのアクティビティ」
第二期 「築きのためのスキルとツール」 
第三期 「社会的合意形成のための参加型手法」

 その後、それらの学びをベースに2000年からESDファシリテーターズ・カレッジという、2年間の教員養成のための高等教育のあり方を実践的に提示してきました。また、環境と人権という大きな持続可能性の柱となるテーマについて、ERIC独自のテキストもまとめました。

 学び続けると言いながら、10回目以降、「新しい」学びにワクワクすることは、わたし自身は無くなりました。いずれかというと、「学び続ける社会」「生涯学習社会」にどのように貢献するかを実践的に行い、ふりかえり、改善するための方法を、ていねいに実践してきたのだなと思います。

 一方で、2000年以降、2001年9月11日をきっかけに大きく世界が変わったのも事実です。米国軍は、アルカイダを殲滅するためにOEF(不朽の自由)作戦を行い、2346人もの戦死者を出しました。2749人がニューヨーク、ツインタワーへの自爆攻撃によって亡くなったことに対する報復として、兵士がその同数に当たるほどの数、死んでいるのです。傷害者数は2万人超と、ニューヨークでの数を大きく上回っているのです。

 これほどの死傷者を出す作戦は2014年末に終了。オバマ大統領の元、無人機攻撃及び顧問の派遣という形に変更。以来の死者数はわずかに33名と激減しました。

 しかし、一方で2003年からは中東全域(アラビア海、バーレーン、アデン湾、オマーン湾、イラク、クゥエート、オマーン、カタール、紅海、サウジ、UAEなど。)でOIF(イラクの自由)作戦を展開、2010年の作戦終了までに4411名も死者を出しているのです。こちらも地上部隊の撤退によって、米軍の死傷者数は激減しました。

 2001年10月から2010年9月までの9年間で6757名の死者を出すような中東地域への介入を米国軍は行なっているのです。米国にとっては5万人以上の死者を出したベトナム戦争以来の大規模なロスであったわけです。
https://fas.org/sgp/crs/natsec/RL32492.pdf

 その間にも、2009年の米国発リーマンショックという経済的なショックも、世界的な打撃になりました。

 日本でも経済的な影響は大きく、バブル崩壊後の不況に拍車をかけました。この間に民主党政権への政権交代、そして2011年3月11日の東日本大震災、福島第一原発事故など、大きな変化が起こりました。

 大きく概観すると、21世紀は、ベトナム戦争後の世界のおさらいのような気がしています。トランプ政権の成立、BriextイギリスのEU離脱など、世界は、それぞれの国の国益中心で、回るようになってしまいました。

 1970年代に多国籍企業の存在によって、国益中心主義は破綻するのだということが、公害問題を中心に了解されました。1992年のリオ・サミットまで、国際社会は協調して問題に取り組まなければならないこと、そのための枠組みづくりに努力を重ねたのです。

 現在の経済のグローバル化、金融の越境性は、国益中心主義では解決できない状況を、環境問題のみならず、労働、人権の問題にも人類共通の課題を拡大しつつあるのです。

 1990年から2000年の約10年間の学びをふりかえって、わたしたちは、いま再び、国際理解教育、多文化教育、多文化共生などを学び直さなければならないのではないかと再認識しました。

 常に、私たちの社会に参入してくる「真っ白な紙」のごとき次世代に対して、大切なことは繰り返し伝え続けなければならない。教育とは、偉大なマンネリでもあるのです。

 マンネリではありますが、教育に関わる者が学んできたことは、「学習の本質」に迫る教育方法論であり、より精査された教育内容であると思います。地球の命にとって、同じことは、二度とは起こらないのです。

 よりよい教育を全ての人に。そのことにもっと真剣に社会が取り組むことがESDです。広げましょう。ESD。わたしたちのよりよい生き残りのために。


■グローバル・セミナー全14回のテーマとERICニュースの発行日と号

連載開始のご案内  2017年4月23日発行   538号

第1回 地球の未来と教師の役割(1990)  
2017年5月14日発行  541号

第2回 イギリス・オーストラリア・アメリカの国際理解教育に実践に学ぶ(1991)
2017年5月21日発行  542号

第3回 環境教育・PLT(1992)  
2017年5月28日発行  543号

第4回 食糧 フード・ファースト・カリキュラム(1993) 
2017年6月4日発行  544号

第5回 協力、コミュニケーション、セルフ・エスティーム(1994)  
2017年6月11日発行  545号

第6回 わたしから始まる国際理解教育 自己理解と参加(1994)  
2017年6月26日発行 547号

第7回 フォトランゲージを学ぶ(1995)  
2017年7月2日発行  548号

第8回 地球のみかた(1996)  
2017年7月9日発行  549号

第9回 対立から学ぼう(1997)   
2017年7月16日発行  550号

第10回 未来を学ぼう (1998)  
2017年7月23日発行  551号

第11回 国際理解教育の推進に向けて(1999)  
2017年8月6日  553号


第13回 生涯学習社会の実現に向けて(2002)   
2017年8月20日発行  555号

第14回 いっしょに考えて!教育(2005)  
2017年9月4日発行  557号

グローバル・セミナー専用のブログも立ち上げています。今後の充実に期待! ですね。


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# by global_seminar | 2017-09-18 15:27 | ERIC NEWS 記事

ERIC NEWS 557 号(2017年9月3日発行)

連載「グローバル・セミナーをふりかえる~今と未来の教育のために」No.15
(担当:鬼木たまみ)

◆◇第14回 グローバル・セミナー(2005.6.4)
・ テーマ:いっしょに考えて!教育-100人と考える「ESD(持続可能な開発のための教育)推進の鍵」
・ ファシリテーター:金光律子、佐藤宏幸、渡辺正幸(ERIC)

前回から3年ぶりに開催された今回のセミナー日程は1日のみ。様々な学会が開催される時期に「セミナーに参加してもらうのが難しければ、こちらから出かけて参加してもらおう」と国際理解教育学会(玉川大学)、平和学会(立教大学)、関係性の教育学学会(清泉大学)に出かけ、参加型エンパワーメント調査を実施、参加者とESD推進のための鍵を考える、という試みを取り入れたプログラム構成になっています。

「エンパワーメントというのは、一人ひとりの力を伸ばす、発揮することを目指すものです。その人の持つ潜在的な力の発揮が妨げられていることを構造的暴力が存在する「不正義」な状態と言い、教育はエンパワーメントを通して、社会的公正、社会的正義の実現を達成しようとするものです。

「すべての人々に教育を」というとき、その教育がエンパワーメントのための教育であるとき、その教育は「人権としての教育」であると言うことができるのです。

だからこそ、教育的指導者には正義、公正さ、人権などについての価値観の理解と達成に向けたビジョンが求められます。

一人ひとりの力の発揮のためには、人間としての健やかさが、鍵なのです。その人自身の力、周りの人や環境との力、そして夢や希望を持ち、次の世代に期待することができる力、そんな力があると自信が持て、そして発揮できるとき、人は成長していけるのです」(レッスンバンク18-20「よりよい教育をすべての人に2005 Empowerment Educationを求めて」より)

「わたしたちが見いだした「ESD推進のための9つの鍵」

1)声を掛ける!「対話」による共有をすすめよう
2)わたしもやっていたESD、わたしもやるESD
3)学びの場、共有の機会をつくろう。まず、SD「持続可能な社会/開発」って何だ?-共有。もっと、ESDの背景や内容について理解する。-学ぶ
4)出会って関わる場所をつくろう
5)エンパワーメントしよう 批判するのでなく、自分でやろう
6)社会教育系の担い手ももっと推進力をつけよう 学校と社会教育の連帯
7)教員や専門家以外の魅力的なリーダーとそれを裏付ける制度や評価システム
8)持続可能性 "としての(as)"&"を通しての(through)" 教育の視点を持とう
9)「つづけよう」
(セミナー「わかったこと・成果」より)」

「今回、ともに考えることができたのは、セミナー参加者・インタビュー参加者を合わせておよそ45人。今回の一日ではさすがに100人には到達しませんでした。
わたしたちの「いっしょに考えて!教育」はこれからです。10人か100人へ、100人から1000人へ、1000人から10000人へ、ESDについて物語っていきましょう!」(「ERIC NEWS 2005.6.6 GS速報」より)

この連載では、ERICが1990年から10数年にわたって開催した全14回のグローバル・セミナーを紹介してきましたが、今号が最終回となります。読んでくださってありがとうございました。
セミナーに参加された方も、そうでない方も、セミナーの内容や変遷、メッセージをどのように受け止めていただけでしょうか。
よりよい教育をすべての人に。いっしょにESD!

これからもよろしくお願いいたします。

*第14回グローバル・セミナーの案内、当日プログラム、資料リストはこちらからご覧になれます。

* セミナー報告「ERIC NEWS 2005.6.6<GS速報> おもしろかった!晴れて良かった!」はこちらからご覧になれます。

* レッスンバンク18-20「よりよい教育をすべての人に2005 Empowerment Educationを求めて」(8ページ、\160)のお申し込みはこちらからどうぞ。

《 News!》
グローバル・セミナーのブログを開設しました。
順次、この連載のバックナンバーやセミナー資料などを掲載していきます。

新ブログ「グローバル・セミナーをふりかえる〜今と未来の教育のために」

■グローバル・セミナー全14回のテーマ・リスト

第1回 地球の未来と教師の役割(1990)
第2回 イギリス・オーストラリア・アメリカの国際理解教育に実践に学ぶ(1991)
第3回 環境教育・PLT(1992)
第4回 食糧 フード・ファースト・カリキュラム(1993)
第5回 協力、コミュニケーション、セルフ・エスティーム(1994)
第6回 わたしから始まる国際理解教育 自己理解と参加(1994)
第7回 フォトランゲージを学ぶ(1995)
第8回 地球のみかた(1996)
第9回 対立から学ぼう(1997)
第10回 未来を学ぼう (1998)
第11回 国際理解教育の推進に向けて(1999)
第12回 対立を超えて・世紀を超えて 地球の明日とわたしたちの力(2000)
第13回 生涯学習社会の実現に向けて(2002)
第14回 いっしょに考えて!教育(2005)
( )内は開催年

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# by global_seminar | 2017-09-18 15:10 | ERIC NEWS 記事

ERIC NEWS 544 号(2017年8月20日発行)

連載「グローバル・セミナーをふりかえる〜今と未来の教育のために」No.14

この連載では、ERICが設立当初から10数年にわたって開催したグローバル・セミナーを紹介しています。(担当: 鬼木たまみ)

◆◇第13回 グローバル・セミナー(2002.6.1-2)
・ テーマ:生涯学習社会の実現に向けて
・ 講師:稲垣有一(大阪市立築港小学校)、小田隆博(盛岡大学企画総務部)、杉山尚子(GITC:GLOBE INTERNATIONAL TEACHERS CIRCLE)、赤石千衣子(ふぇみん婦人民主クラブ)、稲邑恭子(フェミックス)、木村幸一郎(ジャパン・エコロジー・スクール)、中村正子(古紙問題ネットワーク)、角田尚子(ERIC)
・ 出版:『レッツ・コミュニケート!』

第13回グローバル・セミナーは、ERICが学び続ける社会としてその実践をめざしている「生涯学習社会」をテーマに、ERICの主催で行われました。

この回のセミナーは、1日目は「生涯学習社会の構築」という視点で、学校教育、社会教育、市民活動の3つの立場からの問題提起を受けて未来へ向けたあり方を探り、2日目は初日の成果を踏まえ、環境やジェンダーの分野で活動してきた人々と過去の共有と現状分析を行い、「2030年にはこうあってほしい」という未来のシナリオをつくり、そのために身につけたい「民主的スキル」を考える、という2日間のプログラム構成になっています。

「ERICは、年一度の割合でグローバル・セミナーを開催してきました。初期のグローバル・セミナーは、海外の教材の翻訳とタイアップした形でゲストを招き、学びを深めるというスタイルをとってきました。99年度以降は、これまでのその蓄積をもとに、独自の出版物を出し始め、主催研修を構造し始めた「ERICの充実期」と言えます。主催研修の柱も徐々に固まり、「独自の形で参加者といっしょに作り上げてきた学びを出していこう」という気運が生まれました。

そこで、今年度は、わたしたちが参加型手法として身につけよう、提供しようとしてきたものをあえて「民主的スキル」と言ってみることにしました。自分たちがこれまで信頼してきて進めてきた「参加型手法」の枠組みをゆさぶり、参加者とともに共有し、再構築する試みとして「民主的スキル」という言葉を、さまざまな場面で使っていこうと思います」(セミナー「開催の背景」より)

「9.11以降、平和とは何かについて問い続けている。暴力を介さず問題解決していける、その方法を「民主的スキル」と呼んでいきたい。参加型手法をあえて「民主的スキル」と呼んでみることで、参加型手法がどれだけ平和の構築に向けて役に立っていけるか、見ていきたい」(パネルディスカッション「生涯学習社会と総合学習」、角田発言より)

「大切なことは未来のビジョンを共有した上で、1.参加者や学習者と一緒に身につけたい「民主的スキル」を考える。2.「民主的スキル」を身につけるための行動計画を立てる。3.いっしょに評価し、改善する方法を考える。この一連の作業を行うプロセスそのものが、民主的であるといえないでしょうか」(ERIC 通信第14号 「グローバル・セミナー2002 報告」より)

2002年のセミナーで描いた「ありたい未来」にどれだけ近づいているのでしょうか。
私たちは平和の構築のための「民主的スキル」をどれだけ身につけられたのでしょうか。

*セミナーの2日間で参加者とともに考えた「民主的スキルとして育成したいもの」は150を超え、それらは「民主的スキルカード」としてセミナーの報告とともに、レッスンバンク「グローバル・セミナー2002 生涯学習社会に向けて」に収められています。

*第13回グローバル・セミナーの当日プログラム、記事はこちらからご覧になれます。

テキスト、レッスンバンクのお申し込みはこちらからどうぞ。
・「グローバル・セミナー2002 生涯学習社会に向けて」(LB11-8)、10ページ、200円

[追記: かくた]

海外からの翻訳物の紹介から「自立」して、日本社会における現代的な課題に答えつつ、Learning Society学び続ける社会を目指して、参加型学習の生涯学習にとっての意義を考えたセミナーでした。
NPOの活動が多様な当事者支援活動に細分化され、そして専門化している現状を思うと、どうすれば「教育」がそれらの多様な実践をつなぎ合い、協力と協調によって、より良い社会のビジョンを描く上での共通した取り組みであることを、多様なNPO、運動団体に説得し続けることができたのだろうかと自問します。
また、参加者の数が伸びないことも、一般社会も同じ課題を抱えていることを示していると思います。極端な主張、悲惨な当事者、献身的に支える支援者。どんなに当事者が「かわいそうとは思って欲しくない」と言ったとしても、人が集まるのは、そのような極端でわかりやすい物語を聴く場なのです。

2002年のセミナーから15年。総合学習が導入され、アクティブ・ラーニングや「対話的で深い学び」が喧伝されるようになったなど、変化はあります。しかし、それらの変化は、学校教育という、わたしたちの社会が最大の教育的資源をつぎ込んでいる現場を根本的に変えるものになっているのでしょうか?

教育は、エリートのためのものではなく、社会に有用な専門家の育成のためだけのものではない。教育は、わたしたちの社会の生き残りのためなのです。

よりよい生き残り方とは、どんなものだと、あなたは思いますか?

環境倫理では三つの倫理を言っています。いまの世代のニーズが満たされること、地球に生きる生物のニーズが満たされること、未来の世代のニーズが満たされること。

これらの倫理に叶う生き方が、よりよい生き残りであるのです。

教育は、よりよい生き残り方のための価値観、行動、意欲、スキルを育てるためのものなのです。

よりよい未来を思い描くことは、いまのわたしたちの行動に指針を与えてくれるのです。

個人として、社会として、組織として、学び続けることは、なぜ必要なのでしょうか? 学び続けることが、成長の鍵であるからです。

教育が成長のためでないとすれば、それはなんなのだということになりますが、成長と聞いて「経済的成長」だけを考えるのではないということです。いまは極端に「経済的成長」とリンクした教育活動に重きが置かれていますが、「社会的成長」、そして一人ひとりの「いのちの質Quality of Lifeの成長」もまた、教育的な意味での成長であるはずです。

2002年のセミナーが、先年の9.11の、そして1月以来の中東戦争の、影をどのように受け止めていたのか、今となっては思い出せないのですが、そのようなショックの中で、日本の政府予算などに、大きな変化が起こっていたことに気づくのは、ずいぶん後になってからのことでした。

Never too late. Tomorrow starts today. 気づきなさい、いま、ここで。


■グローバル・セミナー全14回のテーマ・リスト
第1回 地球の未来と教師の役割(1990)
第2回 イギリス・オーストラリア・アメリカの国際理解教育に実践に学ぶ(1991)
第3回 環境教育・PLT(1992)
第4回 食糧 フード・ファースト・カリキュラム(1993)
第5回 協力、コミュニケーション、セルフ・エスティーム(1994)
第6回 わたしから始まる国際理解教育 自己理解と参加(1994)
第7回 フォトランゲージを学ぶ(1995)
第8回 地球のみかた(1996)
第9回 対立から学ぼう(1997)
第10回 未来を学ぼう (1998)
第11回 国際理解教育の推進に向けて(1999)
第12回 対立を超えて・世紀を超えて 地球の明日とわたしたちの力(2000)
第13回 生涯学習社会の実現に向けて(2002)
第14回 いっしょに考えて!教育(2005)
( )内は開催年

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# by global_seminar | 2017-09-18 15:01 | ERIC NEWS 記事