2017年 09月 18日
連載「グローバル・セミナーをふりかえる〜今と未来の教育のために」No.8
ERIC NEWS 548 号(2017年7月2日発行)連載「グローバル・セミナーをふりかえる〜今と未来の教育のために」No.8(担当:鬼木たまみ)この連載では、ERICが設立当初から10数年にわたって開催したグローバル・セミナーを紹介いたします。◆◇第7回 グローバル・セミナー(1995.11.11-27)・テーマ:フォトランゲージを学ぶ・ 講師:ロズリン・マクドナルド(ワールドビジョン・オーストラリア教育担当スタッフ/オーストラリア)、飯沼慶一(成城学園初等学校)、梅村松秀(都立竹台高等学校)、河村信治(写真家、板橋区立エコポリスセンター)、 高島みゆき(開発教育を考える会、都立小川高等学校)、富岡紀子(開発教育を考える会)、長倉徳男(オルタ・トレード・ジャパン)、福澤郁文(グラフィックデザイナー)、米山敏裕(開発教育協議会)、角田尚子(ERIC)・会場:東京YMCA国際奉仕センター・ 地域セミナー:秋田、岩手、大阪、愛知(4府県、6回)・作成教材:『地球家族-フォトランゲージ版』第7回グローバル・セミナーは、東京YMCA国際奉仕センター、開発教育協議会、オルタ・トレード・ジャパン、ERICの4団体の共催で行いました。この回のセミナーは、海外の講師だけでなく、国内の学校教員や開発、環境、写真、ビジュアルの専門家など幅広い分野で活動をしているみなさんと検討会を重ね、それぞれに当日のファシリテーターも担ってもらう学びあいの場となりました。「フォトランゲージにおいてファシリテーターに求められることは、写真そのものの説明よりも、そこから引き出される問題に対する深い理解があることだ」(ロズリン・マクドナルド氏の基調講演より)「いろいろな気づきを引き起こすからこそ、いろいろな学びがある。いろいろな学びがあることを受け入れる指導こそが求められている。学びを共有するために必要なのは、共有された時/共に流れた時間であることを忘れてはならない。そして他の人々の暮らしに思いをはせる。そのような学びから得られる共感が、いまの時代をともに生きるすべての命あるもの、すべての未来の世代との共生への意欲へと育っていくように、この「地球家族-フォトランゲージ版」」を授業に、社会教育に活用していただきたい」(『地球家族-フォトランゲージ版』ガイドブックより)近年は、インターネット上に365日24時間、さまざまな写真が溢れかえるようになり、スマホをはじめとするカメラ付き携帯電話、小型デジタルカメラなどの普及により「写真」とわたしたちの距離感や関わりがずいぶん、変化してきました。そのような時代だからこそ「フォトランゲージ」の意味と手法の背景にある価値観をいっしょに考えていきたい、いま、あらためてそう思います。*第7回グローバル・セミナーのプログラム、紹介記事。*ロズリン・マクドナルド氏の基調講演「Photolanguage to Teach Global Issues」「グローバル・イシューズを教えるためのフォトランゲージ」の講演原稿(英文6ページ)についてはお問い合わせください。ERICではセミナー開催に先立ち、1994年にピーター・メンツェル氏の写真集『地球家族』を原典とした写真素材『地球家族-フォトランゲージ版』(カラー、B4サイズ、30枚セット)をガイドブックと併せて発行しました。版権の関係で限定部数しか制作できなかったため、在庫がなくなった後もくりかえし再版の要望があり、現在でも問い合わせや貸し出し希望がある教材となっています。昨年の事務所内整理の際、提供できる在庫がわずかながら出てきましたので、ぜひ、この機会にお求めください。原典の写真集もございます。* 『地球家族-フォトランゲージ版』は現在貸し出しのみ行っております。* 『地球家族-フォトランゲージ版』のガイドブックは、第3版まで改訂を重ね、レッスンバンク17-8として提供しています(24ページ、1200円)■追記(かくた)あっという間に、鬼木さんによるグローバル・セミナーの紹介も半分になりました。残り7回も楽しみです。この回からはわたし(かくた)が事務局長として企画立案の段階から関わったものになります。思い出は尽きないですし、他の関係者からの「追記」も是非お願いしたいところですが、最も印象深いエピソードに絞って、共有しておきたいと思います。オーストラリアの「フォトランゲージ」の組み写真はとても衝撃的なものでした。白黒写真の上に、抽象的な絵柄で、続く線路や公園のベンチに座る老人など、キャプションなしではどのようにでも受け取ることのできる写真なのです。(原本はもちろんERICの資料室にあります。)その中から、自分の気になる写真を選んだり、テーマを表現する組み写真を選んだり、キャプションをつけたりなどの活動を行うことで、「自分の解釈」と他者の解釈を突き合わせて、より深く広い洞察に至る、そんな活動でした。その後、大学入試でピーター・メンツェルの『地球家族』の写真が使われることがあり、「この国はどこか」「何をしているのか」「何が課題か」などのような問いが並んでいることに大きな衝撃を受けました。確か、誰か抗議もしたのではなかったか?拡散的思考を刺激するフォトランゲージを使いながら、「閉じられた問い」によって収斂的思考のみを求めるのかと、愕然としたものです。「何者かになる」ために焦るように大学時代を生きている学生たちは、この収斂思考による育成の結果ではないかと思います。結果、幅広い好奇心も、深い探究も、生き生きとした「わたし」を生きることも、枯渇しているようにも思います。あらかじめ設定されている答えを探すのではなく、「わたし」にとって意味ある答えを見つけて欲しいと思います。誰かが切り取ったこの地球上のとある風景、絵柄、構図と出会うことは、あなたにとってどういう意味を持つのでしょうか?■グローバル・セミナー全14回のテーマ・リスト第1回 地球の未来と教師の役割(1990)第2回 イギリス・オーストラリア・アメリカの国際理解教育に実践に学ぶ(1991)第3回 環境教育・PLT(1992)第4回 食糧 フード・ファースト・カリキュラム(1993)第5回 協力、コミュニケーション、セルフ・エスティーム(1994)第6回 わたしから始まる国際理解教育 自己理解と参加(1994)第7回 フォトランゲージを学ぶ(1995)第8回 地球のみかた(1996)第9回 対立から学ぼう(1997)第10回 未来を学ぼう (1998)第11回 国際理解教育の推進に向けて(1999)第12回 対立を超えて・世紀を超えて 地球の明日とわたしたちの力(2000)第13回 生涯学習社会の実現に向けて(2002)第14回 いっしょに考えて!教育(2005)( )内は開催年
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| 2017-09-18 13:38
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2017年 09月 18日
連載「グローバル・セミナーをふりかえる~今と未来の教育のために」No.7
ERIC NEWS 547 号(2017年6月25日発行)連載「グローバル・セミナーをふりかえる~今と未来の教育のために」No.7(担当:鬼木たまみ)この連載では、ERICが設立当初から10数年にわたって開催したグローバル・セミナーを紹介いたします。◆◇第6回 グローバル・セミナー(1994.11.26-27)・テーマ:「わたしから始まる国際理解教育-自己理解と参加」・ 講師:エリザベス・キャリスター(ニューサウスウェールズ州教育委員会教育政策主任、"ME YOU and OTHERS" 著者 /オーストラリア)向鎌治郎(オープン・ドア日本協会)稲垣有一(大阪市立平野小学校)角田尚子(ERIC)・翻訳出版:『わたし、あなた、そしてみんな〜人間形成のためのグループ活動ハンドブック』第6回グローバル・セミナーは、日本国際理解教育学会、東京YMCA国際奉仕センター、ERICの三団体が協力して開催しました。この年は1月にもグローバル・セミナーを開催、1年間に3冊の翻訳出版を行っており、設立5年目のERICの勢いが感じられます。「自己を肯定的に、自信を持って、価値のある存在であると感じることができれば、周りの人々にもそれが反映していきます。そして周りの人との関わりの中でそれを感じることができれば、自分を再認識することになります。つまり、自らの「 生」が他の人の「生」との関わりでより豊かになっていくのです。同時に、他の人々、ひいては社会や世界が豊かになっていくと言えるでしょう。よりよい世界、持続可能な地球の創造には、個人の資質や力量を高めることは不可欠なのです」( 『わたし、あなた、そしてみんな』より)今年度のERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジは、スキル編としてまさに「わたし」「あなた」「みんな」の計3本を予定しています。スキル習熟だけにとどまることなく、スキルの背景にある価値観についても学びあえる場になるはずです。みなさんのご参加お待ちしています。*第6回グローバル・セミナーのプログラム、紹介記事はこちらからご覧になれます*テキスト『わたし、あなた、そしてみんな』を紹介したERIC NEWSアーカイブはこちらからご覧になれますhttps://ericnews.exblog.jp/4048985/*テキストのご注文はこちらからどうぞ◇《addition》第5回グローバル・セミナーのハンドアウト、資料(日英表記)「協力は複雑な芸術」「質問の分類」「グローバル教育の四つの次元」ほか、シニカルでユーモラスなイラストが取り入れられた資料が、セミナーでどのように活用されたのだろう、と思わずにはいられない内容です。(37ページ) お問い合わせください。■グローバル・セミナー全14回のテーマ・リスト第1回 地球の未来と教師の役割(1990)第2回 イギリス・オーストラリア・アメリカの国際理解教育に実践に学ぶ(1991)第3回 環境教育・PLT(1992)第4回 食糧 フード・ファースト・カリキュラム(1993)第5回 協力、コミュニケーション、セルフ・エスティーム(1994)第6回 わたしから始まる国際理解教育 自己理解と参加(1994)第7回 フォトランゲージを学ぶ(1995)第8回 地球のみかた(1996)第9回 対立から学ぼう(1997)第10回 未来を学ぼう (1998)第11回 国際理解教育の推進に向けて(1999)第12回 対立を超えて・世紀を超えて 地球の明日とわたしたちの力(2000)第13回 生涯学習社会の実現に向けて(2002)第14回 いっしょに考えて!教育(2005)( )内は開催年
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| 2017-09-18 13:24
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2017年 09月 18日
連載「グローバル・セミナーをふりかえる〜今と未来の教育のために」No.6
ERIC NEWS 545 号(2017年6月11日発行)連載「グローバル・セミナーをふりかえる〜今と未来の教育のために」No.6(担当:鬼木たまみ)この連載では、ERICが設立当初から10数年にわたって開催したグローバル・セミナーを紹介いたします。◆◇第5回 グローバル・セミナー(1994.1.27-2.14)・テーマ:協力、コミュニケーション、セルフ・エスティーム・講師:マーゴット・ブラウン(リーズ大学グローバル教育センター/イギリス)スーザン・ファウンテン(国連ユニセフ開発教育担当、"Learning Together:Global Education4-7"著者/アメリカ)ケリー・ミューレイ(対立の解決ネットワーク・コンサルティンググループ/オーストラリア)中野重人(文部省教科調査官)小貫仁(埼玉県立川越南高等学校)・地域セミナー:東京、名古屋、大阪、仙台、松山、長崎、広島(7都府県、11回)・翻訳出版:『いっしょに学ぼう』『テーマワーク』第5回グローバル・セミナーは、日本ユネスコ協会連盟、日本国際理解教育学会、東京YMCA国際奉仕センター、ERICの四団体が協力して開催しました。この回のセミナーは、1日目に講師の参加型プログラムを体験し、2日目に参加者自身が授業や活動案を作成、ファシリテーター実践を行うという、いまのERIC主催研修、ESDファシリテーターズ・カレッジや指導者育成研修のプロトタイプともいえる構成になっています。「子どもたちは、地球のどこかで行われた選択が同時に地球のほかの地域に影響を及ぼすことを学ばなくてはなりません。(中略)あえて選択したり実行しなくても、私たちがふだん無意識に行っていることが、意識的な選択や行動と同様に、周囲の世界に大きな影響を及ぼしているのに対して影響力をもった人間なのだという意識をもたなければなりません。グローバル教育は、最終的には行動することをめざす教育なのです」(テキスト『いっしょに学ぼう』より)「西暦2013年、世界はどのようになっているでしょう。私たちの街は、日本は、地球環境はどんなふうに変わっているのでしょう。今年誕生した子どもたちは、元気に、バラ色の未来を胸に20歳を迎えているでしょうか」(同、翻訳者あとがきより)今から20年後の西暦2037年、わたしたちの街を、日本を、地球を、どのような未来にしたいのか、あらためてテキストを読み解きつつ、いっしょに学びあいませんか。*第5回グローバル・セミナーの紹介記事、スーザン・ファウンテンさんは各紙の「ひと」欄に取り上げられました。*テキスト『いっしょに学ぼう』『テーマワーク』を紹介したERIC NEWSアーカイブはこちらからご覧になれますhttps://ericnews.exblog.jp/4244411/https://ericnews.exblog.jp/3506854/*テキストのご注文はこちらからどうぞhttp://eric-next.org/text-order.html■追記(かくた)スーザン・ファウンテンさんは、ユニセフ発行の『開発のための教育』の著者でもあります。彼女は、「国際理解教育、開発教育、環境教育などのテーマについての教育に共通するスキルがあり、それは幼少の頃から養うことができる」と言う考えでこの『いっしょにできるよ』を執筆されました。その共通の基本とは「セルフ・エスティーム」「コミュニケーション」「協力」の力であり、ERICが「わたし」「あなた」「みんな」と整理しているものです。『テーマワーク』は複数のテキストをまとめたもので、テーマについて深めるためのツールが紹介されており、QFTなどに通じるところがあるものです。このテキストをまとめたのが『たった一つを変えるだけ』の翻訳者、吉田新一郎さんで、当時のERIC事務局長です。ですから、「質問づくり」のアクティブ・ラーニングに取り組みたいと考えている教員にとっては、『テーマワーク』は使いやすいものだと思います。もちろん、『参加型で伝える12のものの見方・考え方』は、それらのツールをさらに洗練させたものだと自負していますが、プラス、ツールブック・シリーズの『TOOL 8』『STEP 5』などが、学習を進める上でも役立ちますね。今回「ファシリテーター・ハンドブック」で紹介している「コミュニティの課題解決」も、テーマ学習の応用の一つです。■グローバル・セミナー全14回のテーマ・リスト第1回 地球の未来と教師の役割(1990)第2回 イギリス・オーストラリア・アメリカの国際理解教育に実践に学ぶ(1991)第3回 環境教育・PLT(1992)第4回 食糧 フード・ファースト・カリキュラム(1993)第5回 協力、コミュニケーション、セルフ・エスティーム(1994)第6回 わたしから始まる国際理解教育-自己理解と参加(1994)第7回 フォトランゲージを学ぶ(1995)第8回 地球のみかた(1996)第9回 対立から学ぼう(1997)第10回 未来を学ぼう (1998)第11回 国際理解教育の推進に向けて(1999)第12回 対立を超えて・世紀を超えて 地球の明日とわたしたちの力(2000)第13回 生涯学習社会の実現に向けて(2002)第14回 いっしょに考えて!教育(2005)( )内は開催年
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| 2017-09-18 13:16
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2017年 09月 18日
連載:グローバル・セミナーをふりかえる〜今と未来の教育のために No.5
ERIC NEWS 544 号(2017年6月4日発行)連載:グローバル・セミナーをふりかえる〜今と未来の教育のために No.5 (担当:鬼木たまみ)この連載では、ERICが設立当初から10数年にわたって開催したグローバル・セミナーを紹介いたします。◆◇第4回 グローバル・セミナー(1993.2.5-14)・テーマ:食糧・フードファースト・ 講師:ローリー・ルービン(公立小学校教員、“Food First Curriculum -An integrated curriculum for Grade 6” 著者/アメリカ)中村尚司(龍谷大学)池原正子(大阪市立生江小学校)石井正(京都市立西京極小学校)稲垣有一(大阪市立平野小学校)藤原孝章(報徳学園中・高等学校)吉田新一郎(ERIC)( )内はいずれもセミナー開催時の勤務校、職場・ 地域セミナー:東京、大阪、名古屋、福井、滋賀(5都府県)・翻訳出版:『フード・ファースト・カリキュラム〜食べ物を通して世界をみつめよう』第4回グローバル・セミナーは、日本ユネスコ協会連盟、日本国際理解教育学会、ERICの三団体が協力して開催しました。この回は、海外からの講師だけでなく、国内で熱心に実践、活動をしている現場の教員のみなさんにも講師を依頼し、メインの2日間のセミナーを東京ではなく大阪で行いました。「私たちの国で、地域で民族の対立が起らないためにも、多文化理解教育、グローバル教育を今からやっておく必要がある。今の視点が唯一の視点ではないということを、小さい時から理解させる必要がある。日本でもグローバル教育が重視されるようになったと聞くが、急激な変化の中で、どういう手法で子どもたちに教えるのかを問い直す時にきている。子どもたちは未来だといわれるが、それに教師が何を提供するかが問われる。だから私は“食糧カリキュラム”を書いた。多文化理解・国際理解教育は、指導者の研修に尽きる。先生の意識が変わり、手法が身につく展開の仕組みをつくることが大切だ」(ローリー・ルービン氏の講演「カリキュラムづくりの楽しさ、難しさ」より)「飢えの根本原因を理解することは、人々から活気を奪い硬直させるため避けるべき話題ではなく、人々を、自分自身を変え、身の回りの世界を変える力に目覚めさせる可能性を秘めた利器であることを私たちは知りました。このような願いをこめて、ここにこのカリキュラムのガイドを贈ります」(テキスト『フード・ファースト・カリキュラム』の「緒言」より。食糧および開発政策研究所の設立者、フランシス・ムーア・ラッペ氏)テキストは出版から年月が経っているため、データや資料の古さは否めませんが、食糧をはじめ、飢えや人口問題、エネルギー問題、福祉・社会問題など、多岐に渡るテーマを盛りこんだ、願いがこめられた一冊です。ぜひ、再読、ご一読ください。*第4回グローバル・セミナーの紹介記事。*テキスト『フード・ファースト・カリキュラム』を紹介したERIC NEWSアーカイブはこちらからご覧になれますhttp://ericnews.exblog.jp/5798047/*テキストのご注文はこちらからどうぞ。http://eric-next.org/text-order.html※追記(かくた)このテキストが、ローリー・ルビンさんの博士論文として書かれたことに、驚きました。わたし自身、総合学習「米」などのプログラムおよび教材開発を大学院でやっていて、それが大好きでしたが、それだけでは論文にならないからと、総合学習の背景のようなものを論じました。が、あれはいまだに「ためにする」だけの労力だったと思います。ローリーさんも、米国でもレアケースだとは言ってましたが。その後も、わたしの学会や研究に対するシニカルさは、変わらないままですね。■グローバル・セミナー全14回のテーマ・リスト第1回 地球の未来と教師の役割(1990)第2回 イギリス・オーストラリア・アメリカの国際理解教育に実践に学ぶ(1991)第3回 環境教育・PLT(1992)第4回 食糧 フード・ファースト・カリキュラム(1993)第5回 協力、コミュニケーション、セルフ・エスティーム(1994)第6回 わたしから始まる国際理解教育-自己理解と参加(1994)第7回 フォトランゲージを学ぶ(1995)第8回 地球のみかた(1996)第9回 対立から学ぼう(1997)第10回 未来を学ぼう (1998)第11回 国際理解教育の推進に向けて(1999)第12回 対立を超えて・世紀を超えて 地球の明日とわたしたちの力(2000)第13回 生涯学習社会の実現に向けて(2002)第14回 いっしょに考えて!教育(2005)( )内は開催年
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by global_seminar
| 2017-09-18 11:52
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2017年 09月 18日
連載:グローバル・セミナーをふりかえる〜今と未来の教育のために No.4
連載:グローバル・セミナーをふりかえる〜今と未来の教育のために No.4
(担当:鬼木たまみ)
この連載では、ERICが設立当初から10数年にわたって開催したグローバル・セミナーを紹介いたします。今回は第三回、環境教育をテーマに行ったものを紹介します。
◆◇第3回 グローバル・セミナー(1992.6.14-28)
「アメリカ、オーストラリアの環境教育の実践に学ぶ」
・ 講師:ジョン・フィエン(グリフィス大学助教授、オーストラリア環境教育学会会長/オーストラリア)
ジェイン・ウィリアムソン・フィエン(クィーンズランド工科大学講師/オーストラリア)
アンディ・バスタナーク(Project Learning Tree事務局長/アメリカ)
・地域セミナー:東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、滋賀、京都、大阪(8都府県、16ヶ所)
・翻訳出版:『「木と学ぼう」活動事例集-PLT ACTIVITY GUIDE K-6-』
第3回グローバル・セミナーは、ブラジルのリオで「地球サミット」が行われていた6月、海外から講師を3人招き、日本環境教育学会、東京YMCA、YMCAアジア青少年センター、横浜YMCA、ERICの四団体が協力して開催しました。
「環境をテーマにした今回の企画は、昨年の湾岸戦争の教訓から生まれました。
湾岸戦争の勃発によって、多くの教師や父母がなんらかの形で「平和教育を導入・実践したいと思いながら、その術を知らなかった故に、またその方法が提供されなかった故に、ほとんど何の実践もされないうちに戦争が終わってしまいました。同時にこの戦争は、これまでの日本における平和教育では、いまの世界の情勢の変化についていけないことも明らかにしてしまったのです。
今まさに喚起されつつある環境問題への関心も、何らかの手立てを講じない限り同様の結果を招くことは明らかではないか。つまり、これまでの知識重視のアプローチだけでは「問題がある」という警告に終わってしまい、自分の問題として捉えにくいのではないか。
こうした問いかけから、自らが進んで環境や開発の問題を考え、その解決のために行動するための「環境教育の方法を提案する場を設けました」(「第3回グローバル・セミナー開催のご案内」より抜粋)
講師のジョン・フィエン氏は
「環境教育、知識、態度、行動の三要素が入ったものでなければならない。態度を育てるには長い時間をかける必要がある」と訴えています。
「地球サミット」からの25年、私たち一人ひとりは、人類共通の課題解決のためにどのような努力をし、長い時間をかけて何を育ててきたのでしょうか。自分に問いかけつつ...
*第3回グローバル・セミナーのプログラム、案内文、紹介記事はこちらからご覧になれます
http://eric-net.org/project/global_seminar/gs92_news.pdf
* 「グローバル・セミナー実践事例10選」はこちらからご覧になれます
http://eric-net.org/project/global_seminar/gs92_activity.pdf
ERICは、『木と学ぼう』を翻訳出版し、セミナーにProject Learning Treeのアンディ・バスタナーク事務局長を招いたこの年から、PLT日本事務局の活動を始めています。
***追記(かくた)
前年の1991年と1992年の夏に海外研修としてオーストラリアを訪れています。
1991年は人権教育をテーマに、小中高の現場、アイデアハウスなどを訪ねました。1992年は環境教育をテーマにジョン・フィエンさん、ジェイン・フィエンさんにコーディネートしていただきました。
*1992年 オーストラリア研修「地球教育を訪ねよう」プログラム
http://eric-net.org/project/study_tour/92au.pdf
また、ジョン・フィエンさんには1997年1998年にも、彼が執筆した「Teaching for Sustainable World(TSW) 」という指導者育成カリキュラムについて実践的に学ぶためのセミナーを実施していただきました。
*1997年 オーストラリア研修「持続可能な世界のための教育」
オーストラリアツアーの報告書は49ページ。『環境教育指導者育成マニュアル』のPig Face Point見学やシドニー・ローカル・ウォークなどの内容に生かされています。お問い合わせください。
ジョン・フィエンさんはTSWにおいて「四つの教育は一つ」と環境、人権、平和、開発教育の何が共通で、何が違うのかをまとめた方です。
http://ericweblog.exblog.jp/5203068/
最近では、ジョンが執筆した『ケアすることを学ぶ』に、環境教育の本質が人権を含む価値観と行動につながるものであることを再確認しました。
http://www.griffith.edu.au/__data/assets/pdf_file/0018/314613/fien03.pdf
日本語訳は三部に分かれています。
http://ericweblog.exblog.jp/18988618/
http://ericweblog.exblog.jp/18988625/
http://ericweblog.exblog.jp/18988628/
■グローバル・セミナー全14回のテーマ・リスト
第1回 地球の未来と教師の役割(1990)
第2回 イギリス・オーストラリア・アメリカの国際理解教育に実践に学ぶ(1991)
第3回 環境教育・PLT(1992)
第4回 食糧 フード・ファースト・カリキュラム(1993)
第5回 協力、コミュニケーション、セルフ・エスティーム(1994)
第6回 わたしから始まる国際理解教育-自己理解と参加(1994)
第7回 フォトランゲージを学ぶ(1995)
第8回 地球のみかた(1996)
第9回 対立から学ぼう(1997)
第10回 未来を学ぼう (1998)
第11回 国際理解教育の推進に向けて(1999)
第12回 対立を超えて・世紀を超えて 地球の明日とわたしたちの力(2000)
第13回 生涯学習社会の実現に向けて(2002)
第14回 いっしょに考えて!教育(2005)
( )内は開催年
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| 2017-09-18 11:40
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